シブヤ大学

シブヤ大学は、
“見つける学び場”です。

シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室に、多様な授業を開催しているNPO法人です。
2006年の開校以来、開催した授業は1,600講座以上。これまでに45,000人以上が参加しています。

シブヤ大学とは

最新授業レポート

終了した授業の内容をお伝えします

誰もが働ける社会をつくる ソーシャルファームを知って、考えて、動きたくなるワークショップ 2025 第3回 ソーシャルファームのリアル(雇う人の目線から)

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劇場の裏側をのぞいてみよう! ~恵比寿・エコー劇場バックステージツアー~

テアトル・エコーで『子どもとその付き添いのためのミュージカル 11ぴきのネコ』エコー版(井上ひさし:作)を上演中とのこと、そしてシブヤ大学でその「劇場の裏側をのぞいてみよう」を授業で取り上げると聞いて、私はミュージカルを早速観てきました。これまでもシブヤ大学では恵比寿にあるテアトル・エコーの役者さんたちに先生になってもらい演劇系の授業をお願いしてきました。毎回楽しく、エキサイティングでした。でも、私はテアトル・エコーと井上ひさしさんがそんなに強い関係にあったことを知りませんでした。馬場のぼるさんの絵本はだれでも読んだことのある名作。これを井上ひさしさんが戯曲にして作ったのがエコー版だそうで、絵本がこんなに愉快なミュージカルになっていたとは。なんと初演は54年前だったということですが、井上ひさしさんならではのユーモアたっぷりの言葉遊び、役者さんの躍動感ある踊りと歌、そして楽器演奏。小劇場でのミュージカルの楽しさを満喫しました。さて、講師は、今回の演出補佐を務めた女優で声優の雨蘭咲木子(うらんさきこ)さんと演出家青柳敦子さんのお二人です。作品のこと、舞台の構造、舞台美術のこと、そして裏話などを聞きました。 テアトル・エコーは設立75周年、昭和45年に恵比寿に移転し、平成4年には現在の5階建てのエコービルができあがったそうです。声優が多く在籍している劇団です。当時は「ひょっこりひょうたん島」で有名な熊倉一雄さんが演出を行ったそうです。今回はエコー版をほぼそのまま50年ぶりに使ったとのこと。当時は男性だけが出演者でしたが、今回は男女が混じって演技しています。時代背景の影響でこの作品も「決定版」に作りかえられましたが、その時代が逆戻りしているのか、50年前のエコー版の内容で違和感はありません。次に舞台のことを教えてもらいました。裏舞台、側舞台、緞帳、平幕、中割、大黒幕、ホリゾント。大劇場と小劇場の対比で教えてもらったのですが、小劇場にはないものもあって場面転換が多い演劇では、その分苦労も多いようです。「ホリゾントは壊れやすいので決して触れてはいけない。」というのが劇団の先輩から受け継がれた教えだそうで、劇団員は「自分が骨折をしてでもホリゾントには触れない」ようにしているそうです。このミュージカルで大切な道具として「魚」があります。大中小の魚を用意していて、これを狭い袖舞台に格納しておくのが大変です。その脇から役者さんが出入りするのはまた大変です。大きな道具は5階にある稽古場でみんなで作ります。ようやく大きな魚が完成したときにはみんな大喜びしたそうです。ところが、今度は作ったものを運び出そうとすると、大き過ぎてドアから外にだせません。仕方ないので分解して窓からつるして舞台まで移動したという小劇場ならではの苦労があったそうです。舞台装置をどのように作るのか?舞台美術家は舞台のミニチュア模型を作ります。それを見ながら関係者で議論して決めていくそうです。今回はその舞台のミニチュア模型(50分の1縮尺)を受講生ひとりひとりのぞかせてもらいました。腰をかがめてのぞき込むと、第一幕のゴミ山の舞台の様子がよくわかります。11ぴきのネコたちの衣装はどうやって作るのか?衣装さんの描いたデザイン画に合わせて作るそうです。古着のデニムをジョキジョキ切り取って、ぼろい服に見えるよう重ねて張り合わせて作っていきます。ただ、問題はデニムは水分を吸いやすいということです。演技中に汗をかくととても重くなってしまいます。汗っかきの人の衣装は1日2回公演の時にはたまりません。1回目が終わると洗濯機に入れ、すぐにフトン乾燥機やドライヤー、アイロンを駆使して2回目に間に合うように乾燥させるので大騒ぎです。「あんさんぶるニェコー」のみなさんの舞台転換と音楽演奏はお芝居の合間の大切なポイントになっています。音楽演奏で使うクラリネット、バイオリン、エレキベースは劇団員の個人の所有物だそうです。たまたま家にあったものを「ちょっと持ってきてよ。」と言われ、ほとんど弾けなかったにもかかわらず、無理やり「ちょっと弾いてみてよ。」と言われ、気が付いてみれば本番で弾くことになってしまったそうです。自前で何とかする小劇団ならではのエピソードです。 恵比寿社会教育館での授業を終え、恵比寿・エコー劇場へ移動です。お洒落なイメージのある恵比寿とは少し違った風情のコースをまち歩きをしながら向かいました。時間がなく、早足になってしまいましたが、恵比寿の違った側面も見ていただけたのではないでしょうか?私があれっと思ったのは、タコのマークの商店会、それからタコ公園(俗称)があり、なんでタコなのかなあということでした。恵比寿・エコー劇場に到着しました。ちょうど1回目の公演が終わったばかりで観客が次々にでてきていました。この後、劇場内に入れてもらい、バックステージツアーです。舞台の上に乗せていただき、恵比寿社会教育館で教えてもらったことを実際に確かめることができました。舞台下をのぞきこんだり、さわっちゃいけないホリゾントや黒幕、袖幕などを確認できました。上を見上げて照明類がどうなっているかを見ることもできました。舞台は思ったよりも広く感じましたが、袖が狭いために苦労も多いことがわかりました。また、「あんさんぶるニェコー」の人たちが一部残って、クラリネットの話、バイオリンの話、打楽器は稽古場のゴミ箱をみんなたたいて一番響きのよいゴミ箱を楽器として使っているなんて話も聞きました。 その後、夜の部のための舞台の仕込み直しを少し見学してから授業を終えました。お忙しい仕込み直しの時間にご対応いただきました劇場の皆様どうもありがとうございました。劇団員が舞台装置、舞台衣装をみんなで手作りし、音楽も自前で演奏していることをお聞きして、小さい劇場ならではのご苦労もありつつ、だからあんなに温かい躍動感あふれる舞台を作ることができるんだなあと感心しました。みんなで一体になって作り上げることっていいなあと、うらやましく思いました。ある受講者の方が特に印象に残ったのは、「結局こういうふうに人との生の交流のために、演劇をやっているんだ。」という講師の青柳さんの言葉だったそうです。素敵ですね。(レポート:江藤俊哉、写真:山口圭治、竹田憲一)

語り継ぐ力 ― 被爆体験と伝承の対話ワークショップ

今回の授業は、伝承者による被爆体験の直接的な語りと、それを受けての参加者同士の対話を組み合わせた二部構成で実施しました。第 1 部:伝承者の語りと対話講師は、くにたち原爆・東京大空襲体験伝承者の李明燁(イ・ミョンファ)さんです。李さんは広島市生まれの在日韓国人 3 世であり、祖父母が広島で被爆された被爆 3 世でもあります。現在、国立市の伝承者としての活動に加え、広島市でも伝承者として活動されています。 授業の冒頭では、李さん自身が伝承者を目指された背景について語っていただきました。李さんが子どもの頃、祖母に被爆体験を尋ねた際、普段は優しい祖母が表情を変え、「原爆は怖いけぇ、思い出したくない」と言って体験を語ってくれなかったという経験をされたそうです。その後、成人して仕事で東京に移り住むと、8月6日が広島と違い、普段と変わらない普通の日であることに驚かれました。このようなギャップの中で、李さんは、祖母が態度を変えるほどの体験がどのようなものだったのか、何とか伝えていかなければならないという気持ちが芽生え、国立市で被爆体験伝承事業があることを知り、伝承者に登録されたと語られました。授業の詳細は割愛しますが、まず広島市の概要から入り、原子爆弾に関する一般的な説明がありました。その後、国立に在住していた被爆者・平田忠道(ひらた ただみち)さんの被爆体験伝承講話、さらに祖母の最期に僅かに聞けた、祖母の被爆体験についても語っていただきました。講話の最後には、李さんから「祖母の様に必死に生きてこられた多くの被爆者が、体や心に傷を負いながらも、今の平和は守ってきたもの。自分に何ができるのか考え続けていくことが大切である」と語られました。第 2 部:参加者同士の振り返りと対話(後半) 後半は 2 つのグループに分かれ、李さんの話の振り返りや語り継ぐことについてグループ内で対話を行いました。【グループ①】• 参加動機と伝承への思いA さん:戦争を知らない世代として、戦後民主主義の中で「戦争はいけない」と教育されてきました。最近のガザの情勢がきっかけとなり、自分に何かできることはないかと考え、今回のワークショップに参加しました。B さん:戦後 80 年を迎え、軍人だった祖父が広島で被爆したこともあり、戦争についてもっと学びたいと思い参加しました。C さん:親族に戦争体験者はいませんが、現代社会では本来協力し合えるはずなのに、つながりが分断され、物事を白黒はっきりさせたがる雰囲気を感じています。実際に話を聞いて、自分なりに考えたいと思い参加しました。D さん:毎年8月6日と9日には祈りを捧げていますが、自分に何ができるのか分からずにいました。つらい思いを直接聞き、何かを伝えなければならないと感じて参加しました。• 伝承するには・戦争のことは日常会話ではなかなか話題にしづらいですが、家族の中では話せます。今後は地域のグループでも話せるようにしたいです。また、集会への参加や寄付など、具体的な行動も起こしたいと考えています。・息子が高校生になったのを機に、一緒に広島を訪れました。しかし、戦争体験を伝えるエネルギーを持つことは簡単ではありません。今年の夏、SNS に簡単に書き込んだものの、こうした安全な場所以外では、何でも批判される風潮があり、顔や名前を出すことに抵抗があります。・最初は親子関係の中で承認されるために努力し続けますが、やがて対等な関係にならないと自分の人生を生きられないと感じます。「伝える」というよりも、「感じ取ってもらいたい」という思いが強いです。・被害者の人数は問題ではなく、身近な人が一人でも被害に遭えば十分につらいものです。まずは事実を知ることから始めるしかありません。・今の世の中は発信に対して寛容さがなく、無理に発信しなくてもよいと思いますが、SNS などから得られる情報も含めて、正しい選択ができるようになりたいです。• 最後に一言・やれることから地道に始めたい。・「じゃあ行ってみよう」と行動すると、つながる瞬間があり、そこで成長もあると感じます。・この空気感はなかなか変えられませんが、できることからやってみたいです。・自分が感じていることを友達と話してみることも大切だと思います。 【グループ②】• 参加のきっかけ・李さんの話を聞いての感想・戦争の話は教科書などで知ることはあっても、実際に体験者の話を聞く機会は少なく、今回参加してみようと思いました。・80 代になり、戦争について伝えられる時間も少なくなってきましたが、どう伝えていいのか分からないという思いもありました。孫を連れて参加したいと思い、孫と息子とともに参加しました。・子どもに戦争体験を伝えたいとは思うものの、リアルな内容や凄惨すぎる情報は、受け止められる年齢でないと難しいと感じています。どのように伝えていけばよいのか、伝え方も難しいと感じました。・東京では特に、戦争について自分ごととして考えたり、興味を持ったりする人が少なく、危機感を感じています。・実際に話を聞いて、戦争はやはり怖いものだと感じました。• 継承について思うこと・どう伝承していけばよいか・体験者が語る姿を、リアルな記録として残しておくことが必要だと感じます。生の資料を積み上げていくことが大切ではないでしょうか。・体験者が少なくなっていく中で、一次情報をどのように伝えていくかが重要です。・受け取る側がどう感じ取るかも考える必要があり、タイミングや伝え方も大事だと思います。・学校教育の中で戦争体験を伝えていくことが必要であり、どのように取り上げ、どんな形で伝えていくかを国や社会全体で考えていく必要があります。• 参加してみての感想・これから体験者が減っていく中で、どう伝えていくかを考えることが大事だと改めて感じました。・戦争について、以前よりも深く知ることができました。(小学生の感想)・子どもとともに参加し、子どもがどう受け止めたかはこれからだと思いますが、考えるきっかけになったと思います。・被爆者として、核兵器のない世の中にしなければならないということを、孫やこれからの世代に伝えなければと改めて思いました。・今回のような会(授業)に、もっと多くの人に参加してほしいと感じました。この授業があることを、より多くの人に知ってもらうことが大切だと思います。-まとめ前半では、伝承者による具体的な体験談が語られ、参加者は戦争の悲惨さや平和の重要性について、これまで教科書や間接的な情報では得られなかったリアルな事実に触れる機会となりました。特に、広島の被爆体験や家族の歴史、社会的背景など、個人の視点から語られる内容は、参加者に強い印象を与えたと考えられます。後半の対話のパートでは、参加者から「戦争の話は日常では語りづらい」「家族や安全な場では話せるが、社会全体では発信しづらい」「体験者が減る中で、一次情報をどう残し伝えるか」といった社会的な背景についてのコメントに加え、「伝えること自体に葛藤やエネルギーの必要性を感じる」「リアルな内容を子どもにどう伝えるか悩む」といった意見もあり、伝承には多くの困難が伴うことが示されました。さらに、被爆体験の直接的な語りに対して、「教科書では得られないリアルな体験に触れた」「自分なりに考えるきっかけになった」「多様な立場から平和や伝承について考え直す機会となった」という評価のほか、「今後は学校教育や社会全体で伝えていく必要がある」「もっと多くの人に参加してほしい」といった意見もあり、伝承活動の社会的意義や今後の広がりへの期待も感じられました。今回の授業は、伝承のむつかしさを改めて認識するとともに、参加者が戦争や平和について考え、語り合うきっかけとなるものであったと考えます。(レポート:元木秀樹、宮島洋人、山口圭治、写真:小林大祐)

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